フィッシュレザーについて

フィッシュレザ―は、魚の剥製の防腐処理に着目し、魚の皮をなめした製品です。本来、資源として活用されていなかった魚の皮を活用し、植物タンニンを用いた自然由来の伝統的製法にこだわった、環境に優しい革製品です。フィッシュレザ―ならではの躍動感あるウロコ模様と立体的な手触りをお楽しみください。

フィッシュレザーの特徴 

    手触り

      ウロコ模様の凹凸感や滑らかさなど、魚の自然体を生かした加工をしています。

        サステナブル

          水産業者から廃棄された魚の皮を買い取り、主に環境に優しい植物タンニンを使って製造しています。

            ウロコ模様

              ウロコの大きさや、並び、傷など一枚一枚が異なっており、同じ模様は一つとしてありません。

                におい

                  フィッシュレザーは臭さの原因となる「脂分」を加工の段階でしっかりと除去しているため魚独特の生臭さはありません。

                    強度

                      実は、フィッシュレザーは牛革と同様、もしくはそれ以上の強度を持っています。※同じ厚さの場合 その秘密は「クロスハッチ繊維」にあります。繊維同士が複雑に絡み合っている構造のため強度が高いのです。

                        薄くて軽い 

                          フィッシュレザーは一般的な革と比べてとても薄く分、軽いです。Ocean Leatherではそのフィッシュレザーの薄さ・軽さを生かした製品に仕上げております。

                          フィッシュレザー製作工程

                          0.下準備

                          弊社水産加工部門から、また他社様から廃棄される皮を受け取り、下準備を行います。

                          1.肉削ぎ

                          皮に残った余分な肉片と脂を取り除きます。出来るだけ穴が開かないように慎重に行います。

                          2.脱脂

                          ドラムを使い、においのもととなる油脂や汚れをこの段階でしっかり洗浄し、抜いていきます。

                          3.鞣し



                          植物タンニンを水に溶かし、そこに皮を入れることにより鞣し(防腐処理)が施され、生皮から革に変化していきます。しっかり鞣されたら乾燥させます。

                          4.染色

                          染料を調合し、染め上げていきます。 

                          5.塗装

                          スプレーで薄く吹き 圧着、を繰り返し、さらに耐久性を高めます。

                          上記は簡略化しておりますが、実際には20以上の工程があります。

                          ここから一部商品は弊社で縫製も行っております。また、オーダーメイドの製作も行っております。


                           

                          エイジング

                          フィッシュレザー製品は一般的な革と同様にゆっくりと深みを増していきます。使い方などによって変化は異なりますので、ぜひ自分好みに育てていただけたら幸いです。

                          【左】使用して約1年半経ったもの。【右】新品のもの。

                           

                          【左】使用して約1年経ったもの。【右】新品のもの。

                           

                          魚種

                          Ocean Leatherでは主に4種の魚の皮を使ってレザーにしています。

                          FISH LEATHER
                          マダイ

                          真鯛(マダイ)は、祝い事の席には必ずといっていいほど用いられ、タイ類の中でも最も有名な高級魚です。


                          透明感と深みを兼ね備えた美しい鱗模様の革となっています。鱗模様一枚一枚にグラデーションをかけており、凹凸のある立体感が他の革にはない特徴です。


                          古来、鯛は「おめでたい」との語呂合わせで、縁起物として重宝され、記念日やお祝いのプレゼントとしておススメです。

                          FISH LEATHER
                          ブリ

                          ブリは比較的成長の早い魚であり、養殖されることも多く、年間を通して日本人に好まれ食される大衆魚です。釣り堀ではマダイと並ぶメイン魚種です。繊細な鱗模様と滑らかな手触りが特徴的な革となっています。また、ブリは成長するにつれて呼び名が変化する出世魚として、仕事や学業など成長出世祈願のお守りとしても最適のレザーです。

                          全ての魚には「側線(ラテラルライン)」と呼ばれる水の流れを感じるための感覚器官があり、革一枚につき一つしか取れない貴重な部位です。特にブリレザーは側線が明瞭で、フィッシュレザーの魅力を最も感じることができるレザーの1つでもあります。

                          通常は一本しか走っていませんが、たまに二股に分かれた側線を持った魚もいます。

                          FISH LEATHER
                          シイラ

                          シイラは暖かい海に分布する大型肉食魚でスポーツフィッシングにおいて人気の魚で、ハワイではマヒマヒとも呼ばれ高級魚として食されています。


                          古くから高知ではシイラは雄と雌が仲むつまじく泳ぐことから、結納品として使用されていました。そのため、夫婦円満、恋愛成就の魚と言われています。


                          全ての魚には「側線(ラテラルライン)」と呼ばれる水の流れを感じるための感覚器官があり、革一枚につき一つしか取れない貴重な部位です。シイラもブリと同じように側線がはっきりした魚で、フィッシュレザーの魅力を最も感じることができるレザーの1つでもあります。

                          FISH LEATHER
                          サーモン

                          アトランティックサーモンとは北大西洋海域に多く生息している、鮭の一種です。また、南米チリや北欧など冷涼な気候の国々で養殖が盛んです。アトランティックサーモンは鮭の中では大型で、平均的なサイズで約90〜110センチほどです。

                          均一なウロコ模様で上品なレザーです。
                          また、サーモンは出世魚、災いを避ける、子孫繁栄など縁起がいい魚としても有名です。