鰤を持ち歩く

鰤を持ち歩く

「え、これって本物の鰤?」

『牛革に型押しで作っているの___?』
『鰤の繊維を抽出して固めて作っているんじゃ___?』

恐らく皆さまの頭の中はハテナでいっぱいだと思います。

Pursuing Truly Authentic Products
リアルを追い求めて

この商品は、100%本物のブリの皮でできています。そして加工方法は、一般的な本革と同様に鞣し加工を施しています。

色に関しては、製造時においの除去や柔らかさを出すために脱脂(脱灰)を行います。この過程で色素や余分なたんぱく質が一緒に取り除かれるため、素材は白っぽくなります。

今回のリアルカラーは、職人の目と手作業により、本物のブリの色に使づけるよう丁寧に塗装されています。

皆さんに質問です

正解は、

54.3%


※令和5年度歩留り調査実施結果表

例えば、マダイを刺身にする際には頭や内臓、骨、鱗、皮などが約60~70%廃棄され、刺身として残るのは約30%だけです。

また、水産加工業者は魚を重さで仕入れて加工・販売します。この場合、1トンのマダイを100万円で仕入れると、うち60万円分が廃棄され、結果としてこの仕入値が刺身価格に反映されます。

魚も命あるもので、廃棄が多いことは心苦しく、加工業者や消費者にとっても負担の大きな問題です。

廃棄物をできるだけ減らし、魚の良さを最大限に活かしたい。

だからこそ私たちは
廃棄された魚の革から
フィッシュレザーを作っています。

フィッシュレザーとは

フィッシュレザーについて知りたい方はこちらをご覧ください。

きっかけと想い

約10年前、高校を1ヵ月で辞めて家業の水産加工に飛び込んでことが、すべての始まりでした。祖父に教わりながら見様見真似で魚をさばき、少しずつ仕事に慣れてきたころ、「歩留まり率」という概念に出会いました。

魚の60~70%は捨てられ、わずか30%ほどしか食用として残らない。廃棄部分の処理は業者にとっても消費者にとっても負担が大きく、何より命ある魚が無駄にされることに心が痛みました。

この問題をどうにか解決できないかと模索しながら、大阪にある語学系大学に進学。学びを深める中で、やはり頭に浮かぶのは魚の廃棄部分の再利用でした。

新型コロナウイルスの影響により地元に戻り、オンラインで授業を受けながら、外国の研究を参考に魚の鱗を使った生分解性プラスチックの開発にも挑戦したりしました。しかし規模や技術的な壁に阻まれ断念。あるとき釣り好きが高じて立ち寄った釣具店で出会った石鯛のはく製が、私に新たなアイディアを与えてくれました。今から5年前のことでした。

「魚の皮で美しい革を作り、財布や小物にしたらカッコイイんじゃないか?」すぐに実験を始め、家にある材料で試行錯誤の日々を送りました。何度も失敗を繰り返しながらも、ようやく販売できる品質のフィッシュレザーにたどり着きました。

しかし、課題はまだ残っていました。革にする過程で使う「植物タンニン」により、どうしても色が薄茶色に代わってしまい、魚本来の美しい模様が残せないのです。当初のイメージしていた剥製のようなリアルな質感を表現できない悔しさが募りました。

諦めきれなかった私は、製造の傍ら、リアルカラーのフィッシュレザーを求めて実験を続けました。従来の製造方法を一から見直し、何度も試作を繰り返し、釣り好きや魚好きの仲間のフィードバックを受けながら改良を重ねました。そして、5年の歳月をかけて、ついに理想のフィッシュレザーが完成しました。

このフィッシュレザーには、魚への敬意と使う人に魚本来の美しさを感じてほしいという想いが込められています。

Ocean Leather

高橋大海 / Hiromi Takahashi

フィッシュレザーの研究開発を行っています。魚の革を作っています。魚の革を作ろうと思いついたのが5年前でそれからずっと美しい剥製のようなブリ革を目指して開発してきました。5年もかかってしまいましたが、作っていてほれぼれ眺めてしまうほどの革が出来ました。心血注いで開発・製造したレザーです。ぜひ皆さまに手に取っていただければ嬉しく思います。

坂本光平 / Kohei Sakamoto

フィッシュレザーを製造している工場長(自称)です。フィッシュレザーの良さをもっと知ってもらいたいと思って日々製造しております。そこで今回のフィッシュレザーの無限の可能性の1つとしてブリのリアルカラーを作成しました。何度もテストを繰り返したどり着いた手間暇かけた逸品ですので、ぜひ皆さまのお手元に届きますよう願っております。

Ahmad Reza Ebrahimi

We've been working hard to recreate the natural beauty of fish skin, and after so many attempts, we've finally done it. As the one in charge of dying and coating, I can say that we've perfected real amberjack fish leather.

It's almost like ocean's magic captured in leather. It's not just leather, it's a piece of ocean, transformed into something you can hold, use and admire. We've created something truly unique and luxurious for those who seek something extraordinary.

私たちは魚の皮が持つ自然の美しさを再現するために、何度も試行錯誤を重ねてきました。そしてついに、その理想を実現しました。染色とコーティングを担当する私が胸を張って言えるのは、リアルなブリのフィッシュレザーを完璧な形で仕上げたということです。

まるで海の魔法が革の中に宿ったような感覚です。これはただの革ではなく、海の一部を手に取り、使い、愛でることができる特別なものです。特別なものを求める方のために、私たちは真にユニークで贅沢な一品を作り上げました。

高橋芽依 / Mei Takahashi

レザークラフト担当のメイです。これまで独学でレザークラフトをしてきましたが、今回、フィッシュレザーの魅力が最大限活かされた財布と名刺入れが完成しました。デザイン、使いやすさ、全てにおいて楽しめるものとなっています。魚、釣り好きの方、そうではない方まで、是非この機会にフィッシュレザーを体験してみてください。

松﨑菜々子 / Nanako Matsuzaki

創業当初から一緒に働いてきたので、この「リアルカラー」という野望を今回実現できたことは、とても感慨深いです。心強い仲間にも恵まれ、沢山の方に支えられ、ついにこの最高傑作を皆さまにお届けできることが嬉しく思います。